今までAppStoreで個人開発アプリとして配信していましたが、今年法人化したこともあり、Apple Developer Programを個人名義から法人名義に最近切り替えました。
ネットで調べてもあまり多くはヒットしなかったので、今後の為にログとして残しておきたいと思います。
0.Apple Developer Programを法人に変更する場合に必要なもの
まず、Apple Developer Programを個人名義から法人名義に切り替える場合に最低限必要になるのは、以下です。
・会社の担当者の連絡先
・会社のウェブサイトURL
・D-U-N-S Number(有料:3000円くらい)
連絡先に関しては、僕が担当者なのでOK、ウェブサイトに関しては、急遽用意したペラいちのものでOKでした。
「D-U-N-S Number」に関しては、Apple Developer経由で取得もできますが、僕は東京商工リサーチで取得しました。
Apple Developer経由で取得する方法はネットで調べた感じだと英語でやりとりする必要がありそうだったので、コミュニケーションの取りやすい東京商工リサーチで取得しました。
以下あたりを参考にすればOKだと思います。
あと、銀行口座は移行前に法人のものに切り替えておいた方がいいです。
移行完了前の収益が振り込まれるのは移行後に登録されている口座なので、今後のことを考えると、移行前に口座を法人に切り替えておくことをおすすめします。
1.Apple Developer Supportに問い合わせる
法人名義に変更する場合、まずApple Developer Supportへ問い合わせが必要です。
メニューから「メンバーシップとアカウント」→「組織名の変更」を選択し、画面の案内に沿って進めて行くと、Apple Developer Supportへ組織名の変更の申し込みができます。
しばらくすると、Appleから以下のような案内が届きました。
最初、英語でやりとりするのか心配でしたが、日本語でのやりとりで問題ありませんでした。
お世話になっております。
貴社の詳細情報をお知らせくださり、誠にありがとうございます。
いただきました情報を元に調査を行い、個人メンバーシップから企業メンバーシップへの移行を開始するこ とが可能であると判断いたしました。 まずは以下の重要事項をご確認ください。
2. 移行の処理中は「Certificates, Identifiers & Profiles」(証明書、ID、プロファイル) ポータルをご利用いただけません。App Store Connect を含むその他すべてのデベロッパ向けリソースは引き続きご利用いただけます。
3.移行が完了すると、組織名が App Store で配布するすべての App に適用されます。
4. 移行が完了すると、個人メンバーシップの「売上とトレンド」のレポートはご利用いただけなくなります。
5. 有料の App や App 内課金のある App を配布する場合、移行の完了前に得られた収益は、移行の開始時点で有効な銀行口座に振り込まれます。 これらの収益の振込先を変更するには、 移行の開始前に銀行口座を変更する必要があります。
移行を開始する準備が整った際、またはご不明な点がある場合は、このメールに返信にてご連絡ください。
何卒、宜しくお願い致します。
上記内容に問題ないと返信すると、移行の為の審査が開始されます。
2.Apple Developer の移行審査開始
移行の為の審査として、法人に関する確認メールがAppleの担当者からいくつか送られてきます。
具体的には以下のような感じでした。
この度は、法人メンバーシップへの移行に関して Apple Developer Program Support へお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
移行にあたって、まずはじめに以下の質問にお答えください。
1. ●●様は貴社の創立者または共同創立者ですか。
2. 貴社は組織の支社として運営されていますか。
3. 貴社は DBA (通称)、商号、または屋号を使用していますか。
4. 貴社は Apple Developer Program の有効なメンバーシップまたは期限切れとなったメンバーシップをすでに保有していますか。
5. 現在の個人メンバーシップに関連付けられている Tax ID (ある場合) の種類は何ですか。
上記情報をご提供いただき、内容を確認次第、折り返しご連絡いたします。
Appleから確認の電話もくる
個人から法人への移行審査中にAppleから2回くらい電話がかかってきました。
発信元はアメリカのカリフォルニアからが1件、もう一回はApple Developer Supportの電話番号でした。
電話の内容としては、
まず1回目が、変更後の会社名が被ってしまうけどどうする?ってことでした。
僕の会社はAppSeedなので、「AppSeed Inc.」で登録申請しましたが、
どうやら「AppSeed Inc.」は既にアメリカの会社であるらしく、システム管理上同じ名前を登録するのはできないから変更して欲しいとのことでした。
なので、最終的に「AppSeed, Incorporated.」で登録することになりました。(ちょっと長いけど、先約がいるなら仕方がないですね。)
で、2回目の電話は、最終確認の電話でした。今までの内容に間違いはないか?や規約に同意するかの確認でした。
2回とも仕事中に電話がかかってきた為電話に出られず、折り返そうとしたのですが、折り返してみたらAppleの別の窓口に繋がってしまい、少々や取りに時間がかかりました。
3.Apple Developer Programの法人移行完了!
メールでの複数回の質疑応答と、2回の電話による質疑応答後、無事Apple Developer Programを法人名義に変更できました。
Appleからの電話に出れなかったり、メールの返信遅れ等があったりで、なんだかんだ計1週間くらいかかりました。
僕の場合、会社名被り等もあったので多少伸びた可能性もありそうです。スムーズにいけば、3〜4日くらいで移行できるような印象です。
Apple Developer Programを個人から法人移行する際に心配だったことについて
個人から法人に切り替えた場合に個人で作ったアプリへの影響等がどうなるのかちょっと心配だったので、そのことについても書いておきます。
1.移行審査中もApp Store Connectの使用やアプリのアップデートは可能
審査中、Apple Developer アカウントが使用できないと困るなと思っていたのですが、その辺りはほとんど問題ありませんでした。アプリバイナリのアップロードや、アプリのアップデート申請・審査も通常通り進行できました。アプリの新規登録等(App IDの新規発行や証明書の新規作成)はできないらしいので、移行前に済ませておくとよさそうです。
2.法人切り替え後も今まで通り運用できる
組織名の変更はありましたが、基本的には個人アカウントとほとんど差は感じません。
アプリのダウンロード数も個人アカウントの時から大幅に減ったりということもなく、今まで通り運用できそうです。
今後 Apple Developer Programを法人に切り替えることはもうないと思いますが、もし2回目があったら今回の経験を振り返りたいと思います。